創造性について

正解のない時代に、
「何を問題にするか」を
自分で決められる人材を育てる

創造性は、ひと握りの才能ではありません。生き残るためのスキルです。

人類はこれまで、環境の変化や食糧難、天災など予測不能な状況に直面するたびに、
新しい道具や仕組み、社会制度の創り出し、生き残ってきました。

創造性とは、生存競争で勝ち残るための人類のスキルであり、
特別な才能を持つ一部の人のものではなく、
状況を理解して、問題を解決するために次の一手を構想し、実行する基本的な能力です。

現代のビジネス環境も同様に、
様々な状況が高速で変化し続けています。
こうした環境でも生き残るためにも、このスキルを発揮しなければなりません。
今、企業や組織に求められているのは、
「正しい答えを見つける力」だけではなく、
状況の中から問いを立て、自分たちの進むべき方向を構想する力です。

この力の土台にあるのが、創造性です。

Photo by Mitch Hodge

「自分起点」の大切さ

命に関わる問題”がない現代は、創造性がなくても生きていけます。
生命の危機を感じるような大きな問題ではありませんが、
人々の生活がより良くなる解決した方がいい問題がまだまだあります。
その問題は、自分の内側の価値観や関心事となる「自分起点」から感じる違和感を手がかりとして、
世界を捉え、問題を発見することから始まります。
創造性は「自分起点」の獲得から始まるのです。
多くの企業が新しいものを創出する際に採用する
「デザイン思考」「システム思考」「論理的思考(ロジカルシンキング)」など創出のプロセスの技法を
なぞるだけでは、創造はできないのです。

自分起点は、感じることも大事な要素です

自分の価値観や関心は、
常に言葉として明確に意識されているわけではありません。
多くの場合、感情、直観、記憶、身体感覚といった
言語化されにくい形で内在しています。
日常の業務では、論理的思考や言語的コミュニケーションが中心となるため、
こうした内在的な要素は表に出にくくなります。
しかし、このような「自分起点」を形成する源泉は、
「まだ言葉になっていない領域」にこそあったりします。

Detail from “The Temple of Time” (1846) by Emma Willard